計測系の特性は静特性と動特性に分類されます.測定量が一定だったり,緩やかな変動をする場合には,静特性を問題とすればいいです.測定量が比較的早く変動する場合は動特性を問題としなければなりません.
静特性を考えればよい例 … 長さの測定,重さの測定
動特性を考えればよい例 … 振動の測定
静特性(Static characteristics) … 時間的に変化しない測定量に対する計測系の応答の特性を静特性といいます.静特性として評価される項目には以下のようなものがあります。
測定範囲 … 計測機器において誤差が許容範囲以内に入っている範囲を測定範囲と言います.
感度 … 測定量の変化を指示量の変化で割ったもの。
直線性 … 近似直線と校正直線のずれの最大値を測定範囲で割ったもの。
分解能 … 計測機器において入力に変化があっても,雑音などの影響により出力値の変化を検出できない場合があります.計測器には検出可能な最小の測定量があり,これを分解能といいます.
動特性(dynamic characteristics) … 測定量が時間的に変動した場合の計測器の入出力関係を動特性という。普通は入力と出力は一致しません。これを動誤差と言います。信号を定め、それに対する出力信号の応答で動特性を評価することにしています。動特性の評価には、過渡応答と周波数応答があります。
過渡応答 … 入力にインパルス信号やステップ信号を用いるもの。
周波数応答 … 入力に正弦波信号を用いるもの。