水平軸風車の設計
風車のは水平軸風車と垂直軸風車があります。発電用に使用される風車はほとんど水平軸風車です。
風車の設計上で必要となる数値は、風車の効率でパワー係数と風車の大きさの二つです。
パワー係数は、風速毎に値があり、設計する場合には風車の定格出力のパワー係数を考えます。
(出典:風力発電導入ガイドブック)
この図は、各種風車のパワー係数(効率)と周速比の関係を表します。周速比とは風速(V)と翼端速度(U)の速度の比を表します。翼端速度と言われてもわかりにくいと思いますが、羽の先端が回転する速度になります。速度ではなく周速比で表記しないと、風車の大きさによっても値が変化することになります。
風の持つエネルギーは風速の三乗に比例します。
風の持つエネルギーに風車の効率であるパワー係数(Cp)を掛け合わせたものが、風車の出力になります。ρは空気の密度でおおよそ1ぐらい(1立方メートルで1キログラム)であり、風車の設計とは、軸形式と翼形式を定めてAを決定することになります。
Aは掃過面積(そうかめんせき)と呼ばれ風車のブレードが掃く面積のことです。
この図の場合色のついた円が掃過面積になります。
垂直軸風車ならば「矩形」で表されたりします。
最初にどのくらいの電力が得たいのかを決めます。必要な電力は、何に電力を供給するのかで決めます。わかりやすい例ですと、例えば1000Wのティファールに電力を供給することを考えてみましょう。W(ワット)と読み、すべての電力を消費する機器に消費電力がWで示されています。このWに時間を掛けた量を電力量と呼びます。時間には、秒、分、時がありますが、時を使います。また、Wも1000倍の値であるkW(キロワット)を使います。通常使われる電力量の単位はkWh(キロワットアワー)になります。
家庭に来ている電気の明細をみるとkWhで使った電気の量が示されています。電気代は通常の契約で、1kWh=26円ぐらいかと思います。1kWhは、消費電力1000Wの機器を1時間使ったときに消費する電力量になります。つまり、1000Wの機器を1時間使うと26円の電気代が発生することになります。
必要な電力は、電気を必要とする機器の電力の合計(kW)×稼働時間(h)で求まります。家庭に電力を供給するならば電力会社からの明細をみれば良いでしょう。
例えば、定格出力1000Wの風車が、24時間回転し続けて、発生する電力量は、24kWhになります。定格出力とは、その風車の最高の効率の時に発生する電力で、風車の出力は定格出力で表されます。