風況とは
こんにちは。
風況という言葉を聞いたことがありますか。風速とか風向とかはあると思いますが、風況という言葉は聞いたことがないかと思います。風況というのは、風の状況という意味です。英語で言うとWind Conditionと言います。何を表しているのかというと、風速の出現頻度まで含めた風の状況を表しています。
風車の出力性能曲線
風力発電を行う風車には、出力性能曲線というものがあり、発電を開始する風速とその風速の時に何kW発電するのかということがグラフとして与えられています。風速が増加していくと発電量は最初は増加していって、途中で一定になります。発電を開始する風速をカットイン風速、一定になる風速を定格風速と言います。しばらく一定の出力で発電を継続して、一定以上の風速になると発電を停止します。この風速のことをカットアウト風速といいます。つまり、いくら風が強くてもカットアウト風速以上では発電量はゼロになります。従って、風力発電では、風速の出現頻度まで含めた風況を考える必要があります。
風況を知る方法
風況を知る方法には2種類あります。一つは、実測する方法です。風力は局地性が非常に大きいので、できるだけ実際に発電する場所で測定することが大切です。1時間毎のデータを1年間に渡り、測定することになります。測定データは若干の検討が必要となります。もう一つの方法は、風況を予測する方法です。風況には、ある程度分布の特徴があり、風速の出現頻度をよく表す関数としてレイリー分布が多く使われます。釣り鐘が若干左に寄った正規分布のような形状をしています。年平均風速がわかると、レイリー分布が定まり、風速毎にどのくらいの確率でその風が吹くのかが計算できます。1年間の発生時間に置き換えたいならば、その確率に一年間の時間である8760時間(365日×24時間)を掛けてあげれば大丈夫です。
風速を実測する場合、外部に委託すると500万円くらいは必要になるかと思います。測定高度にもよりますが、機器の値段と設置費用、データの分析も必要になります。その測定データも毎年同じになるとは限らないので、ある程度の分析が必要になります。レイリー分布により推定する方法は、発電を行う近くのアメダスデータ等から平均風速を知り、その平均風速をアメダス観測データの測定高さである6.5メートルから高度補正して、風車設置高さの年平均風速からレイリー分布を決定することになります。実際に風車を設置する場合には実測することが望ましいですが、その前段階ではレイリー分布で推定していくことになります。