エネルギー

エネルギー資源

人類のエネルギー消費

ü体重とエネルギー消費量は3/4乗に比例。体重あたりの必要エネルギーは大型動物ほど小さくなる。

ü人間のエネルギー摂取量は、他の哺乳類と同じ傾向で100W(1日あたりにして約2000kcal)

表面積→大きさの2乗で増える

体積→大きさの3乗で増える

ü全世界の平均で一人あたり約2000 W

ü日本人の場合は一人あたり5000W

ü米国の場合はさらにその約2倍

ü地球上の人口を約65 億人として計算すると,食料を除いた人類のエネルギー消費量は,約13兆W

ジュールで表すと

1年間で約410EJ (EJ=1018J),石油換算t (toe: ton oil equivalent; 107kcal)で表すと約100億toeとなる.

ü2000Wというのは、象1頭(1000W)のエ ネルギー消費量よりも大きく恐竜なみ

ü恐竜なみの動物が地球上に60億以上もいる状態を想像すれば,人間がいかに多くのエネルギーを消費して,資源 や環境に脅威を与えているか理解できる

日本のエネルギー供給の構成

国産の石炭(戦後初期のエネルギー)

輸入石油

1973年の第一次石油危機のころには石油のシェアは70%

自給率は急速に低下

原子力を国産とカウントしても自給率は20%程度を超 えられない状況

エネルギーセキュリティ確保

石油から簡単に脱却できない理由

ü輸送用燃料分野でほかに有効な代替エネルギーが見つからない

ガソリン・軽油(自動車)   ジェット燃料(航空機)  重油(船)

ü各種石油製品はであり,ナフサから製造されるプラステイックス類を含めて,多様な部門の需要を満たしている。

連産品  同一工程において同一原料から生産される異種の製品

石油依存度を急速に減少させることは困難

石油供給の安定確保が重要課題

•石油輸出国との友好関係を維持

•国外資源の自主開発を推進

•石油備蓄体制を整備

超長期のエネルギー需要と経済活動

ü1885年から2005年までの120年間

•実質GNPは約7兆円→515兆円

約75 倍 拡大

GNP(国民総生産)「Gross National Product」

•一次エネルギー使用量

約5百万toe→5億4千万toe

100倍 拡大

エネルギー需要の対GNP弾性値

弾性値とは エネルギー需要の変化率/GNPの変化率 

一般的に途上国型の経済から先進国型へと経済が急成長するときにはエネルギーの対GNP弾性値は1を超える

経済の高度成長期には重化学工業の発展

ü人々が豊かになり安定成長の時代に入ると弾性値は1を下回るようになるといわれる.

サービス産業や情報産業の発展

エネルギー資源

ü石油資源はあと40年程度で枯渇

ü天然ガスは60数年

ü石炭の場合はまだ200年以上は大丈夫

その程度の年数で尽きてしまうという意味では正しい

化石燃料資源がそれだけしかないということではない.

石油の累積消費量と確認埋蔵量の合計値の推移

ü1950年には石油の資源寿命は20年程度 であった

ü1960年ころから今日まで30~40年程度 とほほ横ばいで推移している.

技術の発展とともに採掘できる量が増大

核燃料資源

核分裂 ウラン、トリウム

核融合 重水素、リチウム

ü天然のウランには235Uと238Uという二つの同位体があり,主体は238Uで, 235Uは0.7%しか含まれていない.

核分裂性物質 

235Uは遅い中性子と反応して核分裂を起こしてエネルギーを発生する.

239Pu天然には存在しない核分裂性物質

核燃料の利用

235Uの濃度を3%に濃縮

濃縮ウランは3~4年間原子炉の中で反応させてから取り出きれる.

ü3 %含まれる235Uのうち, 0.8%分はまったく反応せず取り出された使用済み燃料中に残る.

ü0.4%分は 中性子を吸収して236Uに変換きれる.

ü原子炉内で核分裂してエネルギーを発生 するのは,装荷した搬縮ウランの約1.8%分である.

ü濃縮ウランの97%を占めていた238Uについては,一部が高速中性子によって核分裂する(約0.2%分) ほか,炉内で中性子を吸収してPuになったものの一部も核分裂してエネルギーを放出する(約1%分).

核燃料のエネルギー

ü装荷した濃縮ウラン1kgあたり約3%(約30グラム)がこれら3種類の核分裂によってエネルギーとなる.

ü1グラムの核分裂で 発生するエネルギー量は2toeであるから,濃縮ウラン1kgあたりでは60toeになる.

ü1kgの濃縮ウランを製造するのに天然ウランは5.5kg必要である.

ü天然ウランの重量と比較すれば,約1万倍の重量の石油に匹敵するエネルギーが得られる.

原子力の資源量

ウランの確認埋蔵量約550万t

ü資源量の多い国は, オーストラリア, カザフスタン等

ü天然ウランの生産量は需要量を大きく下回っている.

ü電力会社や原子力メーカなど民間企業が天然ウランの大きな在庫を抱えていて, その放出が続いているため

üロシアからの核兵器解体に伴うウランの放出があるため

核燃料サイクル

原子炉から取り出された使用済み燃料の中には,

燃え残りの235U

生産きれたが核分裂しなかったPu

ほとんど反応しなかった238Uウラン

が含まれている.

ü再処理によってこれら核分裂性物質や親物質 を回収して再び原子炉で利用すれば,ウランからきらにエネルギーを取り出すことができる.

これを「核燃料サイクル」という